大阪の五ツ星お米マイスター『れいこ』のブログ

大阪市都島区のこだわりのお米屋さん&お酒屋さんに嫁いだ子育中のオカン れいこが、お米のあれこれを綴ります

バケツ稲-衝撃の悲報から新な一歩へ

こんばんは。五ツ星お米マイスターのれいこです。

f:id:reicome:20180525132107j:plain

前振りから2日ほど。お待たせしました。バケツ稲の衝撃の事実...。
それを教えていただいたのは、丹波たぶち農場さんでの昼食タイム。教えてくださったのは、わたしたち家族のテーブル席にご一緒してくださった農場スタッフさんでした。

高校進学を決める際に、既に農業を志されたというスタッフさん。自分自身が一消費者という気持ちを大切に農業と向き合いながら、疑問と解決を繰り返してこられたそう。なので、わたしのような初心者が持つ初歩の初歩の疑問にも分かりやすく丁寧に教えてくださって。そして、思い切ってバケツ稲のことを聞いてみました。

丹波たぶち農園さんに伺った頃、うちのバケツ稲はバケツに植え替えてから既に10日ほど経っていたのですが、全く芽のようなものが出ず、実は悩んでおりました。娘のがっかりする顔を思い描くと、さらにやるせなくて。

 


「実はバケツに芽出しした種もみを植えて1週間になるんですけど、芽が中々出なくて...」

 

スタッフさんからは、まず積算温度のお話。

 

積算温度とは...
一般的に、水に浸してから積算温度100℃(毎日の平均気温を足して100℃になった時点)になると芽が出ると言われています。ここ数年の4月、5月は気温が低い日が多いので、この時期の芽出しには日数が必要になります。稲は積算温度で成長しますので、これから育てる場合は気温が高い日が多い分成長が早く進みます。 JAグループ バケツ稲の特別サイトより

life.ja-group.jp

 ちょうど農場にお伺いした前には急な冷え込みがあったりしたので、そのせいでしょうか...とお尋ね。すると...スタッフさんからは積算温度というのは日々の気温の累積がただ100度に達せば良いというわけでもないとのお話が。ある一定の気温に満たないと累算に加えられない時もあるみたいと...え〜‼︎‼︎‼︎

続けて、スタッフさんから

「種は昨年のものですか?」

との質問が。あ...。

 

「種は15度以上の温度にさらされ続けると急激に死んでいくという話があるんです。ちゃんと保管されていたものなら良いんですけど、そうでないなら、種自体が死んでいる可能性があります」と。

 

「それや...」

 

衝撃の事実。わたしも含めて家族みんなが納得。サンプルという名のもとに、種にとって全くといって良いほど酷い環境に2〜3年さらされていた、わたしの種もみ。ごめんね。ごめんね。ごめんね。種もみさん...勉強不足で本当にごめんなさい。

そして...あまりの落胆ぶりを気にしてくださったスタッフさんの優しいご配慮で種もみと苗を特別にお分けいただけることに。籾のついたお米が種とはいえ、種屋さんから購入される貴重な種もみ。感謝とともに再スタートをきることと相成ったのでした。

f:id:reicome:20180525172540j:plain

じゃん。こちらがいただいた種もみ。品種はコシヒカリだそうです。

f:id:reicome:20180522165000j:plain

そう。娘がじぃ〜っと見つめていた、あの種もみです。こちらは、”環境に優しい”と注目されている稲の病気予防「温湯消毒」も済ませた種もみ。スタッフのお兄さん曰く「苗にしてバケツ稲として育てるには時期が遅い」とのことで、発芽の学習用にと分けてくださったのでした。

f:id:reicome:20180525175039j:plain

5月22日。火曜日の朝。お兄さんに教えていただいた通り、水を含ませたお化粧用のコットンに種もみを乗せて娘とスタンバイ。「今の時期なら2〜3日で芽が出ますよ」と、仰っていたのだけど...一度 失敗しているので、やっぱり心配。

f:id:reicome:20180525181139j:plain

娘の観察用にと買ってやったクロッキー帳...まるで変化がなく描き進められなかったクロッキー帳に新しいスタートラインを引こうと、娘の了解を得て観察ノートをつけてみるオカン。

f:id:reicome:20180525181409j:plain

デザイン→デッサンの間違い?負けじと娘も観察ノート(相方さん曰く...魔人ブウ デザイン...コラコラ)。娘の負けず嫌いな姿勢がなんとも言えず嬉しいオカン。

f:id:reicome:20180525182255j:plain

1日置いて5月24日木曜日朝の種もみ。一番右下の種もみにアサリみたいな突起物がミョ〜ン...いつの間に?これが芽?イメージと違うようなと思いながら、他の種もみも見てみると...うん?種もみの右肩のあたりの色が変色している?...もっと言えば胚芽のあたりかな。そんなことを思っていた矢先にお兄さんから「うまくいっていますか?」とフォローのメールが。有難い!とばかりに思っていたことをメールでお聞きしてみると「発芽条件が整って胚乳から胚芽に養分が送り込まれているのだと思います」とのご返事!最近、乱視がひどくて確信が持てなかったのですが、うっすら芽らしきものが出ているような気も...

 

因みにお米の構造はこんな感じ

f:id:reicome:20180525184451p:plain

GUTS スポーツ&ワークごはん塾|お米をもっと深く知る!お米ナビ

お米マイスター全国ネットワークより

f:id:reicome:20180525184832j:plain

そして今朝。画像が回転してしまっていますが、あの変色していた部分から、ほら。芽が...ひょっこりはん。そして、アサリ疑惑の突起物は緑色に。ようやく芽が出たのだと確信して、娘と大喜びで1日のスタートを切りました。

わたしがなぜ、見誤ったか...もちろん知識が足りなかったのは大前提として、発芽用にと用意したお水が多かったのかなと...今思うともみ殻の色が、ふやけてか段々薄くなっていったのと「なんとか芽が出て欲しい」といった気持ちが思い込みになって見誤ってしまったのだと思います。情けないやら、恥ずかしいやら...でも、こんな一幕も、記録で残しておくことで、いつかどなたかのお役に立てたらと。

発芽には光が必要と思われがちですが意外に光は必要なく、お米の発芽に必要なのは「水」「空気」「温度」だと、改めてお兄さんが教えてくれました。経験は何よりの学びですね。

NHKさんのホームページで稲の発芽の様子が見られる動画を見つけました。こうやってみると、生命ってやっぱり不思議。そして、尊いなぁ。

www2.nhk.or.jp

 

さてさて、バケツ稲も進んでおりますよ。こちらは、また、改めてアップしますね!